世界の米料理 

■ヨーロッパの米料理■
 ヨーロッパでは米に対して「ご飯(主食)」というかんかくはなく(パンについては日本人が米に対するのと同じかんかくがあるようですが)、そのまま湯がいて使える食材のひとつとして利用されています。
●イタリアの場合
 ヨーロッパの中でイタリアは、スペイン・ポルトガルと並んで米料理がひんぱんに登場する国で、米のさいばいもさかんです。古いイタリア映画に「苦い米」という名作がありますが、この映画のぶたいとなったのはイタリア北部のポー川流いきのすいでんちたい。イタリア=パスタと思いがちですが、実はイタリアはヨーロッパ一の米の出産国でもあります。
 そのイタリアのだいひょうてきな米料理がリゾット。見た目はしるけの少ない粥(かゆ)のようですが、それでいて米の一つぶ一つぶがパスタのような歯ごたえがあるじょうたいに、たきあがっている…、イタリアの米料理はどくじの食文化をきずいているといえるでしょう。
 ちなみにイタリアも調理によって米を使い分けており、調理方法にあったちいきどくじの、めずらしい品しゅを生産しています。
●スペイン、ポルトガルの場合●
 イスラム教徒によってもたらされた米は、スペインではほうふなバレンシア地方に根を下ろしました。スペインの代表的な米料理パエリヤは、この地方の人々が地元でよくとれるうなぎ、巻貝(まきがい)、さやいんげんなどを米と一しょに料理したのがさいしょといわれています。
 ポルトガル人も米をよく食べます。にんにくと玉ねぎでシンプルに炊いて肉や魚料理の付け合せにしたり、魚介類(ぎょかいるい)と一しょにトマトソースでたきこんだり、スープのとろみ付けにしたりと、その利用方法もさまざまです。
●その他の地域の場合●
 稲作(いなさく)していない国々でも、米はバターライスにして肉料理のつけ合せにしたりライスプディングのような菓子として食べられています。
 フランスでは第2次世界大戦中、しょくみんちからの米のゆ送をはばまれたため、必要にせまられて南フランス・プロバンスの塩水をふくんだしっ地カマルグ地方に稲田を作り、いらい現在にいたっています。フランス料理ではあくまでも付け合せですが、やはりなくなると困るということだったのでしょう。このカマルグの米は、塩けのあるどくじのしまった味なのですが、今日ではそれがかえって人気をよんでいるということです。
 スウェーデン、デンマークなどスカンジナビアの国々では、でんとうてきなクリスマスのお祝いの正餐には、米の粥(かゆ)に、さとうとシナモンをふりかけ、バターをおとしたものを食べるしゅうかんがあり、かつてはクリスマスにはどこのかていでも食べられていました(最近は食べる人も少なくなりつつあるようですが)。
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にしら米穀店

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